背景故事
この星の大きな2つの存在――。
星の民マルクトはマシノワに連れ去られ、その結果国を滅す事となった。
自我の芽生えていないマルクトは自分に眠る力がなぜ作用するか、その結果何が起きたのかも理解はしていなかった。
しかし、刻々と変化する事象はその記憶にしっかり刻まれていた。
マシノワの日々、人々、そしてクカルとギジリ――。
記憶からクオリアが芽生え、自我が徐々に形成されてゆく。
何故自分には強大なる力が眠っているのか、その力の存在意義とは一体何か?
マルクトは、次第にこの答えの出ない問いに苦悩する事となった。
自分に眠る混沌と破滅の力、人々の悲痛な叫び、クカルの行動の意味するもの――
そこからマルクトは自分の存在意義をどうしても見いだせないでいた。
目覚めし多くのクオリア、それより形成される感情、そして様々な悲しい記憶が答えの出ない問いと固く結びついてゆく。
私の力は悲しみを呼ぶ――。人々の叫び、混沌――。
内に眠る強大な力がまたいつ出てしまうか分からない――。
星の因果律を曲げ多くの悲しみを呼ぶ自らの存在は、無に回帰すべきと考えはじめたマルクトは
空船の遺跡から感じる自分と相反する強力な力に導かれる。
そこには具象化したリスタチアの力――
赤き天使ルエリシアが待ちかまえていた――。